平成28年7月例会 ◆経営計画書を作って、どのように会社が良くなったのか。
◆19期 フォーラム・アイ 第10回 定例会 7月議事録
○日時:2016年7月8日(金)PM6:30~
○場所:東成区民センター 6F 604
○参加者:濱田、岡田、柳川、松尾、玉利、中西、横山、増井、児玉、名倉(敬称略)
オブザーバー:神佐様(角谷会計事務所)、近安様(フタバ紙器株式会社)
松森様(大洋紙器株式会社)、畠中様(株式会社立成化学工業所)
森川様(有限会社ニューホンコン造花)、濱田綾子様(有限会社サードパーティ)
◆経営計画書を作って、どのように会社が良くなったのか。
株式会社コダマの経営計画発表 ~
○講師:児玉 義弘 株式会社コダマ 専務取締役 http://www.fm-007.com/
◯内容
聴講者をコダマの社員と見立てて、児玉氏が社員に発表する形式で行われた
これからの3年間、どの様に成長路線に乗って行けるか。。。
・会社概要、 6月末決算 過去最高益を更新 社員数40名
・経営理念(コダマ宣言)・・・この宣言作成以降、会社が変わり始めた
コダマは、全社員、そして、その家族の人みんなを最も大切な財産であると考え、幸福にすること。
コダマは一つ一つの製品に愛情と責任を持ち、お客様の信頼にお応えすること。
コダマはめっき技術を通じて、世界中の人が、より快適に生活できる、夢の社会を実現することを使命としています。
・コダマの歩み
●創業期 1960年生野区 勝山で創業
大阪万博でのメダル等、装飾メッキが主商品
●停滞期 バブル崩壊を経て、お客様の海外進出に伴い、海外価格に合わすか取引をやめるかの選択から厳しい経営状況へ
その中から、1995年、背水の陣で装飾メッキから機能メッキにシフト
●成長期 リーマンショックを経て、社長交代に伴い2009年理念浸透型経営を開始
新卒採用(体育会系と素直さがポイント)を開始することで、経営陣、新卒者とのサンドイッチ効果で、既存の従業員の意識改革に成功。コダマの一番大きなターニングポイントとなる。
・コダマの「強さ」と「弱さ」
自社の強みと弱みを、人材面、技術・サービス面、経営財務、管理の面から分析
例えば、人材面の強みとは、理念が浸透している、成長意欲の高い社員さんや丁寧で責任感のある女性が多くチームワークが良い。弱みは、理工学部や応用科学など技術系の人材採用が滞っている。
・市場環境の認識
主に外部環境の分析、確認
・クロッシング
「強さ」と「弱さ」と市場環境、時間軸と効果のマトリクスから対応策を練る。
具体的に「育てる」「攻める」「捨てる」「守る」を分析し実行する
「育てる」・・現在成果小、将来性大
「攻める」・・現在成果大、将来性大
「捨てる」・・現在成果小、将来性小
「守る」 ・・現在成果大、将来性小
・中期経営方針と年度方針
上記のクロッシングした結果を元に、3年をめどとして中期経営計画、単年度で年度計画を策定。
そこから外部環境と照らしあわせ、現状の問題点、課題も見つけ出し、するべきことに落し込む。そこで導き出された中期経営方針が、コダマでは、
① 6期連続最高益を更新
定期訪問、定期電話、定期はがきの回数の決定
② 大阪一改善活動を実施するメッキ工場になる
目標:標準化・見える化のルールが機能する
③ コア技術を開発する
お客様の要望するテーマからニーズ志向の開発
年度方針は、4期連続最高益の更新、顧客クレーム・社内不良を50%削減する。
経営ビジョンは、大阪一信頼されるメッキ屋になる。
そのために、どう差別化するのか、商品軸、密着軸、手軽軸でアプローチする。
コダマは、「経営理念☓「人材育成」☓経営計画・戦略戦術で、
「ありがとう」が集まる会社を目指す!
最後に、「よし、やるだけ!」という言葉で締めくくられた。
【まとめ・感想】
自社の自己分析、外部環境を的確に読み取ることを元に、経営者の想いをしっかりまとめ上げ、それを経営計画としてまとめ、社員と共有し、業績の上がる体質の会社につくり上げる。
経営計画作成の意味はそこのあるのだと、再確認させて頂ける、素晴らしい経営計画の発表でした。
なかなか、このレベルの経営計画の策定はレベルが高いと思いますが、これをするからこそ、利益の出る体質の会社になると確信しました。
大変、いい刺激を頂きました。
また、何より、経営計画書に一つ一つの使われている、わかりやすく、的確な言葉遣いの質の高さに驚きでした。
是非、小さなことからでも、エッセンスを取り入れながら、各社活かしていきましょう!!
【心に残った言葉】
・全国で1,450社あるメッキ会社の中から、コダマが選ばれるためにはどうしていくべきか
・成長がなければ、お客様から選なれなくなる危機感を持つ。
・標準化・見える化のできている会社は、「無理」「無駄」「ムラ」がなく、効率がよく収益を上げている。
※議事録では、細かな内容、数字は記載しておりません。
文責:名倉 信一