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平成29年2月例会 「事業承継とM&Aについて」

◆20期 フォーラム・アイ 第5回 定例会 2月議事録

○日時:2017年2月10日(金)PM6:30~

○場所:東成区民センター 6F

○参加者:柳川、松尾、名倉、横山、中西、喜田、児玉、西村、小林、増井

オブザーバー:神佐(角谷会計事務所)、松本(谷町総合事務所)、室田(株式会社タカミエンジン)(敬称略)

 

★「事業承継とM&Aについて」

・講師 斎藤 秀一:株式会社 日本М&Aセンター

○会社案内:1991年設立。25年。

M&Aの仲介一本。売上1億5000万円~10億円までの会社が7、8割。それ以上1割、それ以下1割のM&A仲介を手掛ける。設立が全国の公認会計士の出資でできた独立色の濃い会社。東証1部上場。従業員263名。2017年500件以上の実績。

○自己紹介:齋藤秀一 :2001年みずほファイナンシャルグループ銀行を経て現在のM&Aに至る。

 

■経済環境について:

・100年間毎年65万人弱の人口減少。二年間で130万人、東大阪市と堺市が無くなる感じ。

・生産年齢(15~64歳)人口は、100年後には、半減する。75歳まで働けるようにする。高齢になっても働くのが当たり前。

・内需は死んでいく。新たな需要の市場の開拓。アパレルは深刻、介護、医療は、需要は、上がっていく。今のままでは、じり貧になる。

・力のある創業者でも難しい経営環境なのに、団塊の世代ジュニアの自分たちは、もっと大変。

■経営者の高齢化と後継者難

・帝国データバンクによれば、国内企業3社に2社は、後継者難。中小企業経営者の平均年齢は約60歳。要因は、20年前は、親族が家業を継ぐのが8割、今はもっと減っている。

■事業継承を早期に検討する理由

・カリスマ社長がいなくなれば、従業員さんは、一番不安。

・取引先もあの社長がいなくなれば、商売ができるのか不安。

・急に決まった後継者が、従業員や取引先からそっぽを向かれてしまう。

・後継者候補いがいの人に株が分散されると意思決定ができなくなる。

※事業承継は、指名しただけではだめで、世代をこえて企業を運営発展していくことが大前提。

このために、早期に多方向から検討しておくことが重要。

■事業承継の手法

①上場:資本と経営の分離。国内30万社以上の中でも4000社と非常にルールが厳しくコストもかかる。

②清算、廃業:最後の手段。

③親族への継承:古き良き日本の手法、親族、お子さんを長い時間をかけて育てる。

④従業員への継承:落とし穴がある。

⑤M&A:増えている。

※③、④は、10年仕事で準備が必要、⑤は、M&Aができるしっかりした会社であれば準備期間が短くて、いつでもできる。

■親族内継承

・今まで最も一般的に行われてきて、周りの理解も得やすく、準備も長期にわたってできる。株も譲りやすい。計画通りなら最善の手段。

※現代では、後継者がいない、頼りない、不安、後継者自身が有能なため、手に職(医者、

公認会計士、大企業の役員など)を持ってしまうなどの理由で40%まで減少している。

■従業員は継げるのか?

・会社の時価の株式を買うだけの資産があるのか、借入金の個人保証の覚悟があるのか、

経営能力はあるのかをよく考慮して従業員に承継する必要がある。

■従業員承継の留意点

・経営責任、株式の相続税、贈与税、個人の信用、連帯保証、オーナー一族へのリスク、経営能力のあるスーパー従業員はいるのか、その次の後継者はいるのか。

■親族承継、従業員承継の問題点

・子供がいない、継ぐ気がない、従業員でも承継が難しい。(非常に大きい会社は、連帯保証を必要としない、小さければお金がかからないので従業員承継ができる。)

・経営能力のない後継者は、従業員さんを不幸にする。

■M&Aとは・・・。

・M(合併)&A(買収):日本では、ほとんが買収。日本は、単一民族、株式の売買、株主だけ変わる。事業を引き継ぐ。

・承継者がいない、経営が不安、従業員さんの雇用を守りたい経営者が会社を売り、会社を大きくしたい、成長させたい、人材を確保したい人が会社を買う。

■M&Aのやりかた

・株式を売って対価を支払い相手の会社の傘下に入る。

※メリットは、株主が変わるだけで雇用、借入、取引先もそのまま、運営や文化等に変化が少なく譲り受けやすい。

■事例

・事例①

印刷業売り上げ3億程度の企業でも業績の良い部門だけを売ることも可能。

・事例②

後継者がいない業績の良い橋梁設計業と建物補強の建築業者が互いの将来を見据えてM&Aが成立。

・事例③

関東の制御盤の会社の息子が会社を承継するが、社長としての適性がなく体調不良になり(会社経営は、誰にでもできるものではない)、関西の分電盤の会社の関東進出の拠点としてのメリットと合致、M&A成立。

・事例④

売り手は、指定工場の免許(車検は済みます、今は、なかなか許認可が下りない)を持っている自動車整備業。買い手は、グループでは、1000億町の傘下、地域補完の観点、従業員さんのレベルの高さ、業務面での補完も合致してM&Aが成立。

・事例⑤

売り手は、上信越の技術力の高い自動車部品の金型製造業で社長が病気になる。子息は、会社に入ってなく、先行き不安。買い手は、海外現地法人を含めた年商100億の大阪のプレス製造業。金型技術を取り込んで一貫生産で仕事の幅を増やしたい。外注コスト削減、技術向上を視野に入れてM&Aが成立。

・事例⑥

売り手のソフトウェア開発会社の経営者が他の事もしたいでも会社の引き継ぎができないところへ、同業者の会社が組込開発もできて売り手の会社の社長のコネクションに惹かれて売り手の社長を残す条件で、M&Aが成立。

■M&Aはなぜ増えているのか?

・譲受企業:多い。時間を買う。事業の拡大展開。日本の金余りが原因。

・譲渡企業:少ない、売り手市場。後継者不在、将来の安心を求める。従業員さんの安定。

■譲渡会社のメリット

・会社の存続、発展。

・連帯保証、担保提供がなくなり金銭的に楽になる。

・現金収入が見込める。

・従業員さんがそのまま働ける。

・新たな事業展開、発展が期待できる。

■譲受会社メリット

・時間(長年かけて開拓したお客様、マーケット、技術をそのまま承継)を買える。

・相乗効果で効率よくまわす。

・早く安全に、一から開拓する失敗が少ない。

■M&Aによる承継

・会社の時価+2,3年分の営業利益。

・借入金の個人保証解除。

※創業者利得、連帯保証も解除され金銭的に楽になる。

■M&Aのタイミング

・成長段階からM&Aの準備を進めて、相手を選べる時にトレンドに乗るのがベスト。

成長鈍化のときには、すでにタイミングが遅い。

■相手が見つかりやすい会社

①実質黒字であること。:3期以上連続で赤字にならない。

②借入金が年商以下であること。

③真面目に経営し、粉飾決算、不正経理をしていないこと。

④簿外負債(デリバティブ、未払い残業、退職金)がないこと。

⑤M&Aによってお互いに拡大する可能性がある業種。免許を持っている。LPガス。

調剤薬局。

⑥社長の手腕に偏りすぎず、組織化されている。

先生はいなくても、システム、組織化されているクリニック。

■会社の価値評価について

・M&Aの株価:決められた価格はない。

■株式価値イメージ

・株式価値=資産時価(持っているものをすべて時価にする)+3~5年の営業権(税金35%を引いた残り65%の利益)

■中小企業M&Aのステップ

・譲り渡す方が主人公、しっかり条件を決める。ニーズを出す。持ってる方が売ると言う。

売り手が選ぶ。

・買収監査:人間ドッグ

・最終条件交渉

・従業員さんたちに発表

※早ければ、1週間おそければ6ヶ月

※絶対にもらさない。6ヶ月が限度。

※準備期間3~4か月。

※混乱するので従業員さんには言わない。幹部にだけ知らせる。

 

質問)

Q.成立後に簿外債務はありましたか?

A 退職金問題、最終監査で潰しておく。

 

Q 成立後に人材がやめたことは?

A 社長の資質が大きい。キーマンを押さえる。会社の形態が変わったかどうか。

経営に口は出さない。上手くルールを決める、働きやすいようにする。

Q 許認可について

A 地域によっても違う場合がある。その人自身にかかっているものもある。

文責:増井 義仁