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平成29年5月例会 『自社の適正利益を考える』

◆20期 フォーラム・アイ 第8回5月例会議事録

日時:平成29年5月19日(金) 18:30 ~

場所:東成区民センター 602室

参加者(敬称略)

会員:名倉、濱田、松尾、児玉、小林、玉利、中西、増井、樅山、金井、柳川

オブザーバー:近安(フタバ紙器株式会社)、松森(大洋紙器株式会社)

 

■『自社の適正利益を考える』

講師:MGS税理士法人 代表社員税理士 松本 一郎 氏

(児玉さんが会員の北大阪経営研究会の繋がり)

 

○はじめに:

・適正利益には答えは無いと思っています。いろんな考え方がある中で今回は「財務分解」という手法を例題を用いて学んでいただきます。

 

『日本でいちばん大切にしたい会社』等の著書でおなじみの法政大学大学院政策創造研究科教授:坂本 光司さんによると「過去10年のわが国の売上高経常利益率」、「過去30年以上、好不況を問わず赤字を出したことの無い企業の売上高経常利益率」、「利益はお客様からのお礼代、神様からのご褒美と考えることで適正に留まる:利益の性質」という3つの理由から利益率は5%から10%前後で十分であると回答されています。

 

(私は)会社を永続するために必要な利益が適正利益で、そのためにはまず借入金返済可能売上高を計算し、借入金返済可能売上高より多かったらマルという考え方で良いのではと思っています。業種によって違うわけで設備産業では減価償却費も投資も多く借金も多くなる。そうなるとある程度の利益率は必要です。減価償却費があまりかからない業種は設備産業よりは低くなってきます。そういう意味では利益率はマチマチです。

 

成長企業・3つの要件を挙げます

1. 経営陣が経営数値を読める(=経営リスクが分かる+課題の深堀が出来る)

2. 経営者が将来の展望を示している

3. 目標達成の仕組みがある

今回は1.経営陣が経営数値を読める のみを行います。そのために必要な「財務分解」を学びます。

 

○財務分解の前に

経営3科目・・・銀行が優先的に増減を見る3科目でもあります

当座資金がプラス→潰れない

経常利益がプラス→当年の経営が成り立っていることを示す

自己資本がプラス→創業からの経営が成り立つ(利益の蓄積がなされている)

 

財務3表(PL,BS,CF)の関連

損益計算書PL→利益の発生過程が分かる(ぱっと見て利益が分かる)

貸借対照表BS→財産状況が分かる(どうやって利益を出したのか分かる)

CF(キャッシュフロー)計算書→資金の流れと増減が分かる(お金の動き)

⇒PLの利益が(税引き後に)BSの純資産(剰余金)、純資産が債権回収等を経てCFへ

 

○財務分解とは

再分解:制度会計とは異なった角度で分解します

粗分解:大局を捉えるため、大枠にて分解します

詳分解:経営改善につながる糸口を作ります

 

例題を元に演習(当期は900万の利益が出ているのになぜか現金は700万減っている)

⇒演習の後半、簡便法C/F計算で「他資産」の増加が原因と判明する

 

1. 財務分解の「再分解」、「粗分解」を用いて8つの評価を行いました。この8つの評価を

用いれば自社の事が良く分かります。

 

<採算の評価> 評価1~評価3

損益計算書を変動損益計算書に「再分解」して読む必要があります

・損益計算書の製造固定費を変動損益計算書の固定費へ移動

・損益計算書の販売変動費を変動損益計算書の変動費へ移動

⇒損益計算書の売上総利益が変動損益計算書では限界利益に読み替えられる

 

評価1.借入返済可能売上高

目標利益を「借入返済額×2(税金分を50%とみなす)」として計算

※30%なら2を1.6に変更

 

借入返済可能売上高=(固定費+目標履歴)÷限界利益率

※限界利益率は業界ごとにおおよその基準が存在する

 

評価2.労働生産性(労働分配率)

 

労働分配率=人件費÷限界利益

※優良企業となるには(一般的に)50%以下を目指しましょう

 

評価3.社長の勲章(総資本経常利益率:ROA)

総資本(他人資本+自己資本)を元手にどれだけ経常利益を上げたかの指標

 

総資本経常利益率=経常利益÷総資本=総資本回転率×売上高経常利益率

※総資本回転率=売上高÷総資本・・・・・・どれだけたくさん売っているか

売上高経常利益率=経常利益÷売上高・・・どれだけ高く売っているか

 

<体力&資金繰りの評価> 評価4~評価8

貸借対照表(BS)を「粗分解」して読む

 

評価4.自己資本比率(足腰は強いか?)

調達資金(総資本=BSの右側)の何%が返済の必要ない純資産で賄われているか

 

自己資本比率=純資産÷総資本

※30%以上が望ましい。改善のヒントは当座資金額を維持したまま「利益を出す」

or「負債を減らす」or 「増資をする」

 

評価5.当座比率(腕力は有るか?)

流動負債を当座資金(即現金化できるもの)で賄えているか

 

当座比率=当座資産÷流動負債

※100%以上は必要。改善のヒントは「棚卸資産を減らす」「固定資産を減らす」

「流動負債の固定化(長期化)」、「増資をする」、「利益を出す」。今後の今後の損益と資金繰りに留意しながら進める。

 

評価6.回収収支バランス

売上債権残高日数と仕入債務残高日数のバランスを把握。

 

回収収支バランス=((売上残高×365日)÷売上)-((仕入債務×365日)÷仕入外注費)

※結果が「+」の場合は支払よりも回収条件が悪い

 

評価7.借入返済年数

あと何年で借金が返せるかを把握し、約定年数との乖離を点検する

 

借入返済年数=借入金等÷(経常利益÷2) 税率50%時は2

※借入金等=借入金+設備投資手形+リース債務

 

評価8.キャッシュフロー計算書を読む

営業キャッシュフロー=本業での資金繰り。会社の体力

 

 

 

 

2.課題の深堀として売上(仕入)、売上債権(仕入債務)、在庫に対して詳分解を行いました

売上分解:利益を上げるための売上を商品、市場

今回は過去3期の製品毎の売上と構成比、趨勢の表から

・趨勢分析

・構成分析

を行いました。

 

売上債権分解:回収を早めるための分解

今回は

・債権残高日数の計算

・改善日数の計算

・資金改善額の計算

を行い改善点の分析を行いました。

 

在庫分解:在庫を減らすことで資金繰りの改善、不良在庫化の防止、財務体質の強化

管理コストの削減、事務コストの削減が期待できる。

今回は

・在庫日数の計算

・改善日数の計算

・資金改善額の計算

・粗利率の計算

・在庫回転率の計算  よく売れているかの指標

・交叉比率の計算   よく売れてよく儲かっているかの指標

を行い改善点の分析を行いました。

 

3.質疑応答

Q1:資料37ページの財務分解8つの評価を○or×ではなく人間ドックみたいに各項目さらに

ABCDとランク付けはできないのですか?または改善する指標の順番とかありますか?

⇒ABCDは即答できません。ただ、実務的に重要なのは2番の労働分配率と5番の当座

比率です。労働分配率の改善は至難の業です。たとえば飲食店や美容院は社会保険加入を

もともと考慮していないところが多く、加入圧力が掛かるとその時点で人件費アップ。

でも給与と価格は容易に上げられない、創業時に考慮必要。そういう意味では労働分配率

はビジネスモデルでもある。

当座資金は資金繰りがちゃんと回せているかの指標となります。

 

Q2:限界利益と粗利益について、今まで固定費にしていたのを社長の判断で変動固定費に勝手に

変えてもいいのですか?

⇒有りです。管理会計なので自社で一番管理しやすい方法で。バイトなどは変動費でも良い

でしょう。売上が1.5倍になったら1.5倍近くになるものは変動費と捉えるとシビアな計

算が出来ます。賞与は会社によって出し方が異なる。ただし変動費にしてしまうと

賞与はしなければならないものになってしまいます。利益が出れば出すよということにして

おいて管理会計上では出さなければ良いかと。外部に見せなければならない制度会計と異な

り、社長が意思決定を行うための会計が今回の管理会計です。

 

○連絡事項:

玉利さんから来週の旅行について「時間厳守」「楽しく行きましょう」

濱田副代表より名倉さんへ代表取締役社長就任のお祝い

新会員:金井さんの挨拶

名倉さんより、岡田さんから預かった5/30の講演会、慰安婦制度と日韓合意のプリント配布

文責:柳川 直紀