平成29年8月例会 第9回平和を考える勉強会「南京の松村伍長」
第9回平和を考える勉強会「南京の松村伍長」
日時 8月25日(金)午後6時半から8時40分
場所 大阪市立東成区民センター701号室
懇親会 今里酒場 うだ家
講師 松岡環さん
参加者 20人(敬称略、順不同)
講師 松岡環
会員 松尾、増井、柳川、濱田、玉利、横山、岡田
オブザーバー 松山五郎(第一回講師)、片山忠明(元会員)、清水浩(同)、熊谷蘭子(同)、
杉浦勝昭(同)、湯谷茂樹(毎日新聞編集委員)、呉光現(聖公会生野)、
赤井恭子(大同生命)、谷本洋子(銘心会南京)、
須賀(ニューホンコン造花造花)、山本(同)、比嘉(同)
内容
「戦争が起きてもビジネスはできるが、幸せなビジネスは平和でないとできない。平和を続けるには悲惨な戦争を記憶し、次代に引き継ぐことが大切。戦争を体験された方々らからお話を聴きし、みなで平和の大切さを考え。地域からの平和おこしにつなげよう」と始まった平和を考える勉強会も、今夏で九回目を迎えました。今年は南京大虐殺80周年で、第二回に続いて南京大虐殺を取り上げました。
講師の松岡さんは元小学校教員。子供たちに歴史を教える中で、日中戦争や第二次世界大戦についての教科書の記載に疑問を持ち、自ら調査を始めました。南京大虐殺に関しては現地で被害にあった中国人の方々だけでなく、加害の元日本兵にも取材、その真相を明らかにしていきます。著書も多くドキュメンタリー映画も制作、日本ジャーナリスト会議賞も受賞されました。
その松岡さんから、被害者の方や加害者を取材した様子をお聴きしました。元日本兵は取材の最初は意気揚々と手柄のように「殺人」を語っていきます。しかし何度も取材を重ねるうちに、その行いに罪悪感を持つようになります。一部の人は口を閉ざし、一部の人は後悔のような言葉を口にします。被害者は日本人が来たと知ると恐怖でトイレに隠れたり、はたまた憎悪をあらわにします。しかし訪問を重ねるごとにその心は少しずつ和んできます。
その後、松岡さんが監督を務めた「南京の松村伍長」を鑑賞しました。南京戦に従軍した元日本兵の松村伍長も最初は自慢げに「殺人」を語りますが、途中からは言葉を濁してきます。そして、何のために戦争をしたのかと自答します。
岡田感想
今は一時ほど、南京大虐殺がなかったと公言する政治家や著名人は少なくなった気がします。歴史的な事実として南京大虐殺が行われたのが明らかで、そのような否定する発言をすると、必ず批判され、間違いを正されるからでしょう。半面、ブログやフェイスブックなどのSNSでは、南京大虐殺をはじめとして、あの戦争における日本の加害性を否定するような投稿が目立ってきている気がします。それはあの戦争を知る方が亡くなり、少なくなったせいかもしれません。
この勉強会では、第二回に実際に南京戦に従軍された元日本兵の方からお話を聴きし、また今回もビデオながらその証言を聞きました。参加された方は南京大虐殺があったことを確信したでしょう。
しかし、あの戦争の体験者がどんどんお亡くなりになられ、ついには体験者がいらっしゃらなくなった時、そんなこと(虐殺や加害)はなかったと言い張る方々がより一層出てくるかもしれません。この勉強会を通じてあの戦争を経験したからこそ平和を望む過去の方々の意思を次代につないでいきたい。それからこそ平和が続くとかすかな希望を抱いて。
来夏も開催します。ぜひお越しください。
文責:岡田 光司