平成29年4月例会 『経営者必聴!決算書の読み方のコツ。』
◆20期 フォーラム・アイ 第7回 定例会 4月議事録
○日時:2017年4月14日(金)PM6:30~
○場所:大阪産業創造館 5F研修室A
○参加者:濱田、岡田、柳川、松尾、玉利、名倉、横山、児玉、小林、
中西、増井(敬称略)
○オブザーバー:金井(アップ・セット株式会社)、小池(ならボ)、須賀(㈲ニューホンコン造花)、近安(フタバ紙器株式会社)、浜野(株式会社 レーザーテック)
■『経営者必聴!決算書の読み方のコツ。』
○講師:杉本 浩志 氏 杉本総合会計 代表 税理士・行政書士 滋賀県で商工会借入の審査員・JAの税務アドバイザーも務める。
○はじめに:
・決算書は、事務担当が作ってもそれを持って銀行と折衝するのは、社長の仕事である。
・銀行に好意的になってもらうには、決算書ができ2か月たったら申告書ができるのでこちらからアポイントを取ってコピーをもって支店長さんに報告に行くこと。
・税務申告書は、知る必要なし。純利益800万円以下20パーセント掛ける、800万円を超えた分には33パーセントつまり3割をかけてそれくらいの税金がいると思っておく。
○決算書の読み方
・貸借対照表は左側借方、右側貸方。右左完全に一致しているのでバランスシート、BSという。左合計と右合計必ず一致。
・画像としてとらえる。資産から負債を引いたものが純資産、いわゆる自己資本。
・経営者は自己資本を増やすのが仕事。
→資本金を増やす。(増資)
→毎期、毎期利益を出す。当期純利益を出すためには、納税は避けられない。
・「貸借対照表からわかること」
→自己資本比率 = (自己資本÷総資産)×100・・・ 30%以上が望ましい。
→流動比率 = (流動資産:売掛金、一年以内にお金になる現金に近い ÷
流動負債:1年以内に返すお金)×100・・・150%以上が望ましい。
※預金があれば潰れない。
→当座比率 = (当座資金 ÷ 流動負債)×100・・・120%以上が望ましい。
売掛金回収を値引きしても早く回収すること。手形はリスキー、2回落ちなければマーケットから抹殺。
→固定比率 = (固定資産 ÷ 純資産)×100 ・・・100%以下が望ましい。
自己資本の枠の中で持っててください。負債で賄っているのは黄色信号。
→固定長期適合比率={固定資産÷(純資産+固定負債)}×100・・・100%以下が原則。
長いスパンの借入で比率を下げていく。
※貸借対照表の弱点:金額に置き換えられるものしか載せられない。
載せられないもの→愛想の良い従業員。従業員は資産、どんだけ資金を投入できるか。
将来お金につながる。
※お金を追っかけない。
※細かい数字を100に置き換える。表にするとわかりやすい。
※流動資産は売り上げの3ヶ月分を持っておくのが良い。
○「損益決算書」からわかること
・5つの利益
売上総利益(粗利益):1円でも多くするには、
売上高が増える→お客×単価×回数・・お客の数を増やす。
売上原価(製造費)が減る→外注費を減らす(良くない、相手が嫌になる。
工夫して減らす。梱包費をなくすなど。)
①値切らない ②支払条件を先にしない(土日支払なら前倒しで払う)
③振込手数料を引かない(気が悪い)
この代わりにうちに対してベストなプランを出してください。
営業利益(本業の儲け):売上総利益-販売費及び一般管理費
経常利益:営業外収益及び費用
・特別利益、特別損失→何かあった、つぶれる手前。
税引前当期純利益:法人税・住民税及び事業税を引く
当期純利益(最終の儲け)
※損益決算書の弱点:支払利息は、出てくるが、借入の元金が出てこない。
どんだけ儲けたかを表す経営成績指標。年間の借入金返済額が出ていないので、
マイナスなることもある。
※目指す目標額(経営計画に入れる):チャラになるには、利益+年間の借入額。
※減価償却費:現金とのミスマッチ。1年目は、お金が出て行ったのに経費は、少しだけしか計上されない。2年目からは、お金が出てないのに経費が計上される。
※減価償却前利益:減価償却費を考慮して計上する。
※当期純利益じゃなく営業利益で銀行は考える。
※売上総利益が赤字の場合は、商売に向いてない。
※売上高の予定額:純利益(0.7で割った税引前)に減価償却を計上、返済額計上、
を考える。必要な手立てを考える。借入の元金が乗らないから見間違わない!
☆経営分析の本は、薄いのを買う。
・売上高総利益率
(売上総利益÷売上高)×100
・売上高営業利益率
(営業利益÷売上高)×100
・売上高経常利益率
(経常利益÷売上高)×100
・労働分配率
人件費÷売上総利益(付加価値):粗利益が出た時、どんだけ人件費
にまわしているか?
→低い方がいい(人件費を減らすのではなく、売上総利益を増やす。腕の見せ所。)
☆役員報酬を調整弁で考える。
○「損益分岐点売上高」について
・税引前利益の30%が税金くらいに考える。
・損益分岐点を考えて管理経営していく。
損益分岐点売上高=固定費(売り上げにかかわらず必ずいるもの、家賃、水道高、熱費、役員報酬、電話代など、)÷限界利益率(粗利でもOK)
目標の売上がわかる。
→固定費(何があっても払う)を、粗利益率で割ってトントンをはじき出す。
○必要売上高について
目標売上高=(固定費+目標利益)÷限界利益率
○目標利益
・借入金の返済を考える
目標売上高=(固定費:減価償却費が入っている+目標利益)÷限界利益率
※根拠なしに利益を+してはいけない。
※減価償却費は、お金がかからないけれど経費、お金が出て行っている経費を対で考えること。
文責:増井 義仁